学習について
実際にやってみて効果的だと思った学習法を記載する
読書時間が飛躍的に増えた。多くの時間を読書に費やすと、改めて読書することが好きなんだなあと実感すると同時に、学んだ内容をどこかに記録しておきたいという欲求も出てくる。食事と違って読書は悪食なので、本ニュースレター読者の方も、面白い本がある場合はぜひ僕に教えてほしい。
さて、学習とは、究極的には「繰り返す」ことと「新情報と既存知識を結びつける」ことに集約され、学んだ内容を必要な局面に応じて呼び出せるようにすることが最終的なゴールである。暗記しても知識が脳に正しく定着し、活用できなければ意味がないのだ。以前の記事にも書いたが、やはり行動(アウトプット)に結びつけることで、知識は脳に正しく消化・吸収されるのだろう。
そこで今回は、僕自身が試してみていくつか効果があったと感じる方法を記載しておく。
まずは、「50-50ルール」について記載する。「50-50ルール」とは、50%の時間で学んだ内容を、50%の時間を使って誰かに説明をするというものだ。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが行なった実験によれば、ただインプットするだけの学習だけだと、脳はたった1時間後でもう56%を忘れ、1日後には74%も忘れていた結果になったという。冒頭に書いたように、「暗記しても知識が脳に正しく定着しなければ意味がない」ということを証明しているような実験結果だ。そこで、ローマの哲学者セネカが「教えながら学ぶ」といったように、学んだ内容をなるべく早く誰かに説明するのだ。この方法によって、学んだ内容の約90%が記憶に定着することが、脳科学的にわかっている。ノーベル賞受賞者であるリチャード・ファインマンの「ファインマン・テクニック」もほぼ同じで、「子供に教えるつもりで紙に書いたり」、「実際に人に教えてみる」ことで、学習効果が高まること方法として世に知られている。
今回の記事、というよりも、このニュースレターそのものが、まさに「50-50ルール」に従って書いているといえるだろう。
続いて、「ローマンルームメソッド」を紹介する。古代ローマ人が開発したこの手法は、覚える必要があることと馴染み深いモノを結びつけるメソッドだ。個人的にこの手法は、語学を覚える際に活用している。たとえばドイツ語で木のことを「Baum」というのだが、実際に木を思い浮かべるというよりは、日本で馴染み深いドイツ菓子である「バウムクーヘン」に結びつける、といったような感じだ。
最後は、少し変わった方法かもしれないが、洗脳の手法についても記載しておく。
洗脳とは、端的に言えば耳や目を使って、とにかくひとつの考えを、寝ても覚めても洗脳者のアイデアを頭のなかに刷り込んでいく方法である。その際に、他の情報をシャットアウトし、使う五感が少ないほど、インプットするチャンネルが限られるため効果的であるという。これはたとえるならばトンネルを進むようなもので、目標(出口)に向かってひたすら一つのことに取り組むことになる。
自分の精神の主導権を他人に明け渡す洗脳は、自分の心身を犠牲にしてまで第三者に尽くすことは倫理的に問題があると考える。戦後、CIAによって主導された「MKウルトラ」や、オウム真理教の一連の事件など、どうしてもネガティブな一面が目立ってしまうが、脱洗脳が「デプログラミング」と表現されており、自分で設定した目標に向かって脇目を降らずに突き進むことは、言ってみれば「自己洗脳」をするわけで、なにかの目標達成において大きな効果を発揮するのではないかと感じている。また、「MKウルトラ」について詳しく知りたければ、Netflixにドキュメンタリー映画もあるので、興味があればみてみるのもいいだろう(https://www.netflix.com/search?q=warmwo&jbv=80059446)。
ちなみに、僕が集中力して作業をする際には、スマートフォンを機内モードに設定している。いうまでもなく、通知音などのノイズによって気を散らさないようにするためだ。結果的に「自己洗脳的手法」でアウトプットに勤しんでいたわけだが、確かにインプット中ならまだしも、アウトプット中にはインターネットを含めて外部からの情報は可能な限りシャットアウトした方が、結果的に生産性が高い気がしている。
このニュースレターも、特に書くことがなければ既述のように読書日記や学習記録のようにすればいいのかもしれないなとふと思ったが、言い換えれば、書くことがないということは大したインプットをしていないということでもあるわけで、「書くことがない」と考えている時点で文字書きとしてはちょっとマズい状態なのだと自戒した今日この頃である。

